外側はカリッと、中身はしっとりもっちりしているカヌレ。
バニラやラム酒がふんわりと香って、子どもの頃は苦手だったけれど大人になるにつれて好きになったという方も少なくないはず。
最近はコンビニでも、クリームの詰まったカヌレやいちごソースのかかったカヌレも発売されていたりしますね。
カヌレは、材料の配分方法や型の素材などで生地の硬さも変わります。少し前、動画サイトでカヌレの硬さを極める人の動画が話題になっていましたね。
今回は、自宅でカヌレをつくる場合の型の選び方を紹介していきます。
カヌレとは?名前の由来は見たまんま
カヌレはフランスのボルドー地方の伝統菓子で、正式名称を「カヌレ・ド・ボルドー(cannele de bordeaux)」と言います。
「カヌレ」とはフランス語で「溝のついた」という意味です。見たまんまですね。
カヌレの生まれの地「ボルドー」は、あのボルドーワインの名産地でもあります。ワインの澱を取り除くために卵白を使用しており、卵黄がたくさん余ってしまったことから、その利用法としてカヌレは生まれました。
カヌレの型の選び方は?ポイントを3つ紹介!
焦げ茶色の焼き色がついた、カリッもっちりとしたカヌレ。選ぶポイントは主に3つです。
- 素材
- サイズ
- 個数
カヌレは型によって食感や焼きやすさが変わります。ご自分に合ったものを選んで、美味しいカヌレを作りましょう!
カヌレの型の選び方①素材で選ぶ
カヌレの型選びで最も大切なのは「素材」選びです。素材によって扱いやすさや、メンテナンスのしやすさ、焼き上がりの硬さなどが変わります。
素材は主に5種あります。
- ステンレス
- アルミ製
- 銅製
- 鉄製
- シリコン製
扱いのしやすい順に、特徴をお話していきますね!
ステンレス製|手入れが楽で初心者でも扱いやすい!
まず初心者の型でも扱いやすいのはステンレス製のカヌレ型です。その特徴は手入れが楽なことです。
使い終わったあとは食器用洗剤で洗うだけ。錆びにくいので、頻繁に使うわけでない方でも保管しやすくおすすめです。
ただし熱伝導率は高くないので、焼きムラができやすかったり、生地が型にくっつきやすかったりします。
焼く前にはしっかりと型にバターや油を塗るようにしましょう。
アルミ製|コスパの良さは抜群!
熱伝導性に優れており、初心者でも綺麗な焼色をつけられるのがアルミ製の型です。
ただし、油が馴染む性質がなく生地がくっつきやすいのが難点。記事を流し込む前に、バターを塗り、そこに強力粉をはたいて1時間ほど冷蔵庫で冷やしてから使用すると型抜きがしやすくなります。
テフロン加工|生地がくっつきにくくおすすめ!
バターを塗ったり、強力粉をはたいたりしなくても、生地がくっつきにくいのが「テフロン加工」の施してあるカヌレ型です。
フライパンでもそうですが、テフロン加工のしてあるものは扱いやすく初心者の方にも大変人気がありますね。
鉄製|とにかく丈夫で長持ちさせやすい!
とにかくお手入れがしやすく、めったに使わない型でも扱いやすいのが鉄製のカヌレ型です。価格も手頃なものが多いので、お試しで買ってみたい場合にもおすすめです。
ただし焼き上がった時に、綺麗に型から外れないことがあるのでテフロン加工のしてあるものを選ぶようにしましょう。
シリコン製|ゼリーづくりにも使えて手入れも簡単!
洗いやすくて、保管もしやすいのがシリコン製のカヌレ型です。
ただし型がやわらかいので、生地が膨張しやすく、外側カリッとしたカヌレはあまり期待できません。ふんわりしっとりめのカヌレを作りたい方におすすめです。
銅製|美味しく焼きたいなら絶対これ!
カリッもっちりとした本格カヌレをつくりたい場合には、銅製のカヌレ型がおすすめです。
熱伝導性が高いので、カリッと歯ごたえのあるカヌレがつくれます。ただし、メンテナンスの方法が特殊なので、扱いやすいとは言えません。
購入したらまず「油馴染み」と「空焼き」をし、使用後の手入れは洗剤は使わず布巾で油を拭う程度です。洗剤を使えないため、長期間使わないでいると錆びつきやすくなったりします。
また価格が高価なのも、初心者の方が最初の型に選ぶには躊躇してしまう理由のひとつです。1個だけでも1,500円程度するのが普通で、大体は10個セットで売られているため、その価格は10,000円を超えます。
それでも本格カヌレがつくりたい場合には、銅製のカヌレ型がおすすめです。
カヌレの型の選び方②サイズで選ぶ
カヌレの型はサイズによっても食感が変わります。サイズは主に「小」「中」「大」。
それぞれの特徴は以下です。
- 小(直径30mm前後)…外側のカリカリつよめ
- 中(直径45mm前後)…素材によってカリカリともっちりの違いが出やすい
- 大(直径53mm前後)…中のもっちり部分が多くなる
読書の合間や、仕事の作業中にぱくぱくとつまむように食べたい場合には、小さいサイズのものを。
満足感を得たい場合には、大きめのものを選ぶようにしましょう。
カヌレの型の選び方③個数で選ぶ
カヌレの型の中にはセットで売っているものもあります。
個数が増えればその分、価格もあがるので、予算によっても選べる商品は変わってきますね。
カヌレのレシピは基本的に5個分や10個分などで掲載されています。つくりたいレシピがある場合には、そこに記載されている個数に合わせて購入するのもおすすめです。
おすすめのカヌレレシピ!
カヌレは形こそ独特ですが、材料は「牛乳・小麦粉・バター・砂糖・卵・ラム酒」など、基本的には家にあるものでつくれちゃいます。
- 牛乳…250g
- バニラビーンズ…1/4本
- 強力粉…30g
- 薄力粉…30g
- グラニュー糖…125g
- 卵黄…30g
- 卵白…10g
- バター…10g
- ラム酒…15ml
❏つくり方
1.鍋に牛乳とバニラビーンズ(縦半分に切って)を入れ、沸騰直前まで温めます。その後で蓋をして、40℃まで冷まします。
2.粉類を混ぜ、グラニュー糖も入れて混ぜます。そこへ1の牛乳を入れて、ホイッパーでかき混ぜます。
3.卵黄と卵白を混ぜ合わせ、2に加えて更に混ぜます。そこへ、溶かしたバターとラム酒を加えて、ボウルにラップをしたら24時間寝かします。
4.底からすくうように混ぜ均一な状態にしたら、一度濾します。
5.型の八分目まで生地を入れ、200℃に予熱して60分(大きさによってはもう少し短く)焼き、焼き終えたら網の上で冷まして完成です!
24時間寝かすほかは、けっこう簡単ですね。24時間も寝かさないレシピもあるので、待てない!という方はそういったレシピを参考にすると良いでしょう。
おすすめカヌレのアレンジレシピ!
カヌレを愛する世界各国の人達のアレンジレシピを紹介します! 黒に近い焦げ茶色がトレードマークかと思いきや、アレンジの仕方次第ではこんなにもカラフルに彩られてしまうんですね。
チョコペンでカヌレの溝を埋めるようなアレンジなら、初心者の方でもしやすいですよね。そこにドライフルーツをのっけたりしても美味しそう(*^^*)/
【最後に】カヌレを綺麗に焼くコツは?
最後にカヌレを綺麗に焼くコツをお話します…!
- 牛乳を温める時には膜がはらないように。また泡立たないよう、木べらで混ぜながら。
- 生地は、焼く30分前には冷蔵庫から出して常温においておく
牛乳は膜が張りやすいですよね。温める時には膜が張らないように。また泡立たないよう、木べらで混ぜながら加熱しましょう。
生地は焼く30分前には常温に出しておくようにします。冷蔵庫から出してすぐに焼きに入ると、生地に火が通るまで時間が掛かりすぎてしまいます。
その結果、型から生地が溢れてしまったり色の薄いカヌレになったりするので、焼く前にきちんと常温に置く時間を作りましょう。
ちょっとの心配りが出来上がりに影響してくるお菓子づくり。食べてくれる人の顔を思い浮かべながらつくるのが楽しいですよね。
ひとまず初心者向けのステンレス製のカヌレ型を買って作ってみます!読書をしながら、ぱくぱくつまみたいので小さめの型で。