日本の食材と言われて、真っ先に思い浮かべる人も多い「お米」。
弁当には欠かせませんね。その一方で悩みのタネにもなりがちです。
弁当に入れたら食べる頃にはべちゃべちゃになっていたり、「今日は贅沢に手巻き寿司!」と思って酢飯をつくってもイマイチ味が馴染んでいなかったり……。
以前、量販店で働いていた頃、炊飯器にドハマリした時期がありました。
その頃、色々と炊飯器とお米の炊け具合について色々な人に聞いたり、調べたりしていたのですが、お米は育成環境によって特徴が大きく変わります。
本当に環境でそんなに変わるの?
日照時間や温度差など、様々な条件でお米の特徴は変わります。
さっぱりめのお米は、佃煮やカレー、チャーハン、酢飯などに合います。
もっちりしたお米は、なにとも合わせずそのまま味わうのもおすすめです。
またお弁当にいれるなら、冷めても美味しいお米がおすすめです。
この記事では、目的によっておすすめのお米を適切に選ぶ方法をお話していきます!
美味しいお米とは?艶があって甘い!
そもそも美味しいお米とは、どういうお米のことを言うのでしょうか。
日本には、美味しいお米を選別する「食味コンテスト」や「お米日本一コンテスト」があります。それらの条件を参考に、紹介しますね。
- 艶がある
- もっちりしている
- 甘みがある
- 粒がしっかりしている
- 適度に粘り気がある
お米にはさっぱりしている硬めのお米と、甘みのあるもっちりしているお米があります。
一般的にはもっちりしているお米の方が美味しいとされています。
確かに高級炊飯器でも、もっちりご飯が炊けることをキャッチフレーズにしているところが多いもんなぁ。
美味しいご飯のことを「粒立ちが良い」「カニ穴が開いた」なんて言いますね。
お米と地域の関連性
お米の特徴は、育成環境によって変わります。例えば、次のような条件が影響します。
- 水質
- 土質
- 水はけ
- 温度差
- 日照時間
確かに水の美味しい地域はお米も有名だよね!
美味しいお米づくりには、水はけの良さも重要です。水はけが良くないと、水が上手に入れ替わらないため、稲がすくすくと育ちません。
美味しいお米の条件である「甘み」を出すためには、日中と夜間の温度差も重要です。
昼間あたたかく、夜間には涼しいと甘みやうまみの強いお米ができあがります。
また日照時間が短い地域では、稲が季節の変わり目に気がつけずに、穂をつけるタイミングを逃したりすることも。
お米の産地として有名な北海道は、日照時間が短く、温度差も少ないため、お米の育成には不向きでしたが、品質改良を重ねて条件をクリアするようになりました。
さっぱり白米好きには「晴天の霹靂」!おかずが合う
まずはさっぱり白米の炊けるお米を3種類ご紹介!
- おかず・佃煮
- カレー
- シチュー
- 酢飯
- お茶漬け
- チャーハン
ひとり暮らしをしていた頃、近所のスーパーでは1kg単位で食べきりやすいお米を販売していました。
ちょうどこだわってちょっと良い炊飯器を購入していたので、「色んなお米を試してみよう!」と最初に買ったのが「青天の霹靂」。
その粒立ちの良いさっぱりとした味わいは、今でも印象に残っています。
ほかにもさっぱりめで美味しいお米を3つ紹介しますね!
さっぱり美味しいご飯は、佃煮やカレーライスにおすすめです!
北海道|ななつぼし
まず北海道米のなかでも人気のある品種である「ななつぼし」。
ななつぼしはさっぱりしているので、お弁当にもとても向いています。
ただし粘り気や甘みが少ないので、それが物足りない場合には「浸漬(しんせき)」させるのがおすすめです。
浸漬とはお米を研いだあと、お米を水に浸しておくことです。時間の目安は夏場なら30分〜、冬場なら2時間〜です。
浸漬させることで、お米の芯からふっくら炊くことが出来ます。
人気の北海道米、ゆめぴりかとは対極の味わいです。
山形|つや姫
冷めても美味しい!とコンクールなどで人気がある「つや姫」。
粒立ちの良いお米が好きな方におすすめの品種です。
芋煮やどんがら汁、山形だしや納豆汁など、汁物の美味しい山形県。さっぱりご飯がよく合います。
私も家で炊いてみました。艶がよく、お米はかため。
エビチリと一緒に食べたのですが、エビチリ単体で食べるよりもソースの甘みを引き立ててくれて美味しかったです。
おにぎりにしても美味しいですよ!
青森|晴天の霹靂
青森・津軽の「晴天の霹靂」。その名の通り、食べてはっと驚くさっぱり美味しいお米です。
さっぱりしているだけでなく、艶がありふっくら。甘みもあるため、もっちり好きの人にもおすすめできる美味しいお米です。
冷めても甘みがぷっちり美味しい晴天の霹靂。私が1番好きなお米です!
もっちり白米好きには「あきたこまち」!お米そのものを味わう
続いてはもっちり白米を3つご紹介!お米そのものを味わいたい方におすすめなお米です。
- そのまま
- 塩
- 海苔
- 牛丼
ふっくらもっちりしたご飯はそのまま食べたり、美味しい塩を振って食べたりするとその甘みを味わうことができます。
またつゆだくだくの牛丼にしても、ふっくらお米が牛丼の汁を吸って美味しいです。
ぱりっぱりの海苔でくるんで食べても美味しい…!
北海道|ゆめぴりか
北海道の2大人気品種のひとつ「ゆめぴりか」。先程紹介した「ななつぼし」とは、対極にある美味しさです。
ななつぼしがさっぱり硬めのお米なのに対して、ゆめぴりかはふっくらもっちりしています。
甘い香りと強い粘り気が特徴です。
ゆめぴりかって名前もかわいいね。
ななつぼしと食べ比べても良いですね!
秋田|あきたこまち
全国的に知名度の高いあきたこまちも、もっちりふんわり美味しいお米です。
市女笠(いちめがさ)をかぶった美女がプリントされたパッケージが印象的ですよね。
秋田と言えば、ねぶたと美女と米。すりつぶしたうるち米を棒に巻いた「きりたんぽ」も有名ですよね。
うるち米とは……
一般的に食べられるお米のこと。もち米と差別化のために用いられています。あきたこまちやコシヒカリなど、今回紹介しているお米もうるち米ですよ!
子供の頃、スーパーへ行くたびに秋田美女を探していたのが懐かしい。
新潟|コシヒカリ
「美味しいお米と言えば?」と知人に聞いて、最も回答数が多かったのが「コシヒカリ」。
その知名度は、お米の品種に明るくない人でも知っているほど。
新潟県内でも、南部で栽培されたものがコンテストでは高評価を受けています。
お米の品質は、同じ品種でも地域によって変わるもんね。
薄切りカツを甘辛いタレに浸した「タレカツ」や、唐辛子をつかった保存食「かんずり」、ふっくら分厚い「栃尾の油揚げ」など、ご飯に合うおかずもいっぱいありますね。
以前、仕事で新潟に行った際に食べた「タレカツ」。甘辛いタレともっちり甘いご飯が最高に美味しかった。
美味しいお米を炊くなら圧力IH炊飯器がおすすめ!
美味しいお米を炊くには、目的に合わせたお米を選ぶことだけでなく炊飯器も影響します。
たとえば炊飯器の炊き方には大きく3つあります。「マイコン」「IH」「圧力IH」です。
マイコンは炊飯器の底にヒーターがひとつついているもので、炊きムラができやすいためおすすめしません。
選ぶならIHもしくは圧力IHがおすすめです。IHヒーターが釜の側面にバランスよく設置されており、炊きムラができにくく、お米の芯まで加熱できるのでふっくら炊き上げることができます。
価格は、IHが2万円〜5万円。圧力IHが5万円〜15万円です。
また、ほかにも次のコツを抑えることで炊飯器の劣化を防ぎ、状態をよく保てるので良かったら参考にしてみてください。
- 内蓋は毎日洗うこと
- 釜は熱に弱いので、なるべく保温機能は使わない
- 釜を洗う時は、きちんと熱がとれてから
私はTigerの圧力IHを使っています。加圧できることで、よりふっくらもっちり炊けます。
【まとめ】目的によって向いているお米は違う
今回は美味しいお米の選び方をお話してきました。
美味しいお米は目的によって異なります。
項目/特徴 | さっぱり | もっちり |
---|---|---|
品種 | ななつぼし/つや姫/晴天の霹靂/きぬむすめ/ヒノヒカリ | ゆめぴりか/あきたこまち/コシヒカリ/ミルキークイーン/ひとめぼれ |
おすすめの食べ方 | ・酢飯 ・カレーライス ・チャーハン ・おかず ・佃煮 ・汁物 | ・そのまま ・塩 ・海苔 ・牛丼 |
適切なお米を選ぶことで、より一層美味しくご飯を食べられますよ。
お米は育った環境で、味の特徴が変わるため色々な品種を試しながら、自分の好きなお米を見つけるのも楽しいですね。
お弁当にいれるなら、冷めても美味しいお米を選んだり、湿気をコントロールしてくれるわっぱ弁当を使ったりするのがおすすめです。
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